「天引き」の功罪

「天引き」とは社会保険料や所得税など、あなたから預かったお金を会社が代行して納付することです。。

「天引き」はあなたの預かり金

前項で「いまだかつて確定申告なんてしたこともないよ」という例をあげました。確かにそういう人は多いと思います。では、そうした人はどうやって「税金」をおさめているのでしょう?

「天引き」の功罪

それは、俗に「天引き」というシステムで「支払い」を済ませているのです。給与明細に、「年金」とか「保険」とともに「所得税」というのがあるはずです。この「所得税」は、本来自分で「申告」して確定すべき税金を、会社が代行して徴収しているということなんです。いわゆる「源泉徴収」です。

このシステム、たしかに払うほうは面倒はありませんし、税金を取るほう、すなわち国としては確実に徴収できるというメリットがありますが、他方、デメリットも見逃せません。まず、会社に少なからぬ事務的な負担がかかります。大会社ならともかく、小さい会社では無視できない労力でしょう。

また、取られる側は、たとえ1ヶ月だけ働いたとしても、その金額で1年間働いたものと「見做されて」徴収されてしまいます。すると、その後に所得がなかった場合、わざわざ後から「取り戻す」作業が必要なわけで、コスト的にはロスといわざるを得ません。

しかし、最大のデメリットは、「給与所得者」が「納税」をリアリティーをもって感じられない点にあると思います。諸外国をすべて調べたわけではありませんが、これほど「会社丸抱え」で税金を支払うのはドイツと日本ぐらいのもののようです。

そもそも「天引き」とは、ナチス政権下のドイツで、戦費を効率よく徴収するために「発明」されたもので、それを我が国が採用したというのが出自のようで、さすがドイツ大好きの戦前日本が彷彿させられます。ちなみにフランスにはそうしたものが一切存在せず、アメリカは「天引き」はあるものの、全員が確定申告の対象となります。

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